ダニッシュ・ダイナマイト


　デンマークという国をご存知だろうか？


　正式国名「デンマーク王国(首都：コペンハーゲン)」。その王室は欧州最古を誇り、国民の人気も高いという。現在の元首は女王マルグレーテ2世である。
　国土は約4.3万平方km。人口は約531万人。北欧の南端に位置する小国であり、人種は北方ゲルマン民族、言語はデンマーク語、英語もほぼ通用するようである。

　「マッチ売りの少女」などの名作を残した童話作家、ハンス・クリスチャン＝アンデルセンや、「死にいたる病」で有名な哲学者、ゼーレン＝キルケゴールなどを輩出した国として一般には知られている。
　ブロック玩具メーカー、レゴも実はこの国の企業である。



そんなデンマークにてサッカーの歴史が始まったのは、デンマーク最初のフットボールクラブ、ＫＢが設立された1876年である。

　欧州選手権には1984年(フランス大会)初出場し、「アマチュアのサッカー国」との前評判を見事に覆し、1977年欧州最優秀選手となった、アラン＝シモンセンを負傷で欠きながら、プレベン＝エルケーアとミカエル＝ラウドルップの強力２トップの活躍で、ベスト４まで進出した。

　ワールド・カップ初出場は“マラドーナの、マラドーナのための大会”と呼ばれた1986年（メキシコ大会）であり、ベスト16という成績を残した。


　1992年の欧州選手権では、国際試合停止の憂き目に遭ったユーゴスラヴィアの代役として出場。前述のミカエル＝ラウドルップの弟、ブライアン＝ラウドルップや、90年代世界最高のGKであった、ピーター＝シュマイケルなどの活躍により、見事優勝を果たす。




　80年代半ば辺りから、デンマークのサッカーは世界に認められはじめた。このころから世界のサッカーファンは、彼らのことをその躍進ぶりとスタイルから「ダニッシュ・ダイナマイト」と呼びはじめたのである。