10時起床。



　例のレストランで海鮮がゆを食べる。味無し。



　チェックアウトし、上陸した側の浜に移動する。クチル島に行こうかと考える。



　ホテルのオヤジが声を張り上げて手招きしている。移動が面倒臭いので、コーラルビューの逆側に位置するそのホテルに泊まる事にする。80RM。

　海が見える所にしろ、と、今度はちゃんと注文する。



　…確かに見えるが…ほんのちょっぴり。まぁいいか。今度は部屋に蚊帳が付いている。扇風機の音がうるさい。使わないからいいか。

　どーでもいーが、私を名前で呼ぶな。不愉快だ。



　ついでに、シュノーケリングをしたいのだ、と言うと、15RMだと言う。10RMの所と15RMの所があるみたい。

　「スペシャルコースとベーシックコースがあるが、どちらにする？」

　…シュノーケリングは小学校2年生の時以来だから、無理はよそう。

　「ベーシックコースで。」

　「そうか、14時からだ。10分前には来い。」

　「分かった。」

　「だが、14時のツアーには人が全然いない。明日の9時からのなら人がいるんだがな。」

　…人が集まらないと中止になるかもしれん、という事だそうだ。

　「いや、明日にはコタ・バルに戻りたいのだ。」

　…9時なんて早起きは出来ぬ、とは言わなかったが。

　「分かった。」



　2時間ぐらい時間があったので、シュノーケリングの練習をしておこう。マスクは借りられたが、足ひれがないとの事。まぁいいか。



　と、いうわけで、浅瀬に潜る。浅瀬でも魚がいっぱい。珊瑚も少々。水が綺麗だ。



　14時の10分前に指定の場所に行く。オヤジが待っている。まさか本番にサンダルでやるわけにはいかんので、足ひれをよこせと言っておく。用意するとの事。

　セーフティボックスに貴重品を預ける。



　…結局15分くらい待った。その間、オヤジは道行く人に、声をかけまくっていた。己のホテルに泊まれっていう勧誘だな。



　一緒にボートに乗る。浜からちょいと離れた海域に連れて行かれる。

　「申し訳ない。人が集まらなかった。」

　…何だと？

　「だから、一人でやってくれ。」

　正気か？このオヤジ。

　「この範囲でのみやってくれ。帰る時はあの岩礁に沿って浜に上がって、歩いて帰ってきてくれ。」

　…見ると、ボールみたいなのが一定の範囲を保って浮いているのが見える。歩いてって、まぁ島だから、そりゃ歩けばいつかは着くんだろうが。

　何度も大丈夫か？と確認された後、私を海に残してボートは去った。薄情なものだ。何かあっても助けてくれる奴がいねー。



　一人でしばらくバシャバシャとシュノーケリングをする。海は綺麗だ。可愛い魚がいっぱいる。珊瑚は…正直グアムの方が綺麗だね。スペシャルコース云々と言っていたが、やはりそちらの方が良かったのかね。



　1時間半程海で過ごす。



　飽きてきたので、岩礁に沿って帰ってみる。砂浜近くの浅瀬で何度も転ぶ。



　とぼとぼ歩いて、何とかホテルに辿り着く。



　オヤジがいない。留守番していた欧米系の奥方らしき人に、ツアー代を払えと言われたので、セーフティーボックスのカメラと財布とパスポートを出せと言う。

　鍵がないので、オヤジが帰ってくるまで待てと言われる。いつ帰ってくるのか？と尋ねると、知らぬと言う。なめとんかこのアマ。

　急ぎか？と重ねて問われる。えぇ、あんたが金払えって言ったからね。オーケー、何とかする、との事。おちょくっとんか、こいつは。

　どこぞから鍵を引っ張り出してきて、鍵を開け、物を返してくれた。持ってんじゃねーか。

　ツアー代を払い、飯を食いに行く。



　せっかくなので、シーフード料理が食べたい。料金表を見ると、シーフードだけかなり高い。云10RMもしやがる。金には困ってないので、レストランのニーちゃんに、注文してみる。

　「ない。」

　聞き飽きた言葉が返って来た。この国のサービス業は、一体どーなっとんや。



　よく分からんが、夕方はレストラン自体、そもそも開いていないらしい。仕方がないので、ポテトチップと、ライターを買う。



　とぼとぼ歩くと、今度はちゃんと営業しているレストランがあった。席を確保して、メニューを広げ、選ぶ。炭酸が飲みたいな…久し振りにヨーグルトが食べたい…。



　ジンジャエールとヨーグルトと中華スープと、シーフードスパゲッティに決めたつもりが、何故かまたスパゲッティボロネーゼ、この四つを注文してみた。

　「ジンジャエールとヨーグルトはない。」

　…。

　スプライトを代わりに頼み、残りの2品を待つ間、写真をやる気なく撮る事にした。

　ボロネーゼは悲しいくらい不味かった。中華スープはまぁまぁだったが、いっぱい入れ過ぎで、溢れてテーブルの半面を水浸しにしていた。



　食後、疲れたので、部屋に帰る。蚊取り線香をつける。

　しばし、寝る。



　しばらく後、起きて、外に。ハンモックで気持ち良く揺られている人を見かけたので、追随してみる。良い感じ。

　超低空飛行で小鳥が飛びまくっている。間近にいる人間を怖がっていないように見える。

　巨大なきのこも見つけた。

　再び部屋へ。シャワーを浴びようとする。水しか出ない。日焼けした背中に誤爆させ、絶叫。



　風呂後、体がだるい事に気付く。熱っぽい気もする。日焼けした所が熱を持っている。運動不足なのに急に体を動かしたからってのもあるか。とにかく今夜は早く寝よう。明日は…どうしようか。コタ・バルの街が恋しくなってきたし、水シャワーも勘弁して欲しいしなぁ。